ミネルヴァ書房より『新しく学ぶ西洋の歴史―アジアから考える』(南塚信吾、秋田茂、高澤紀恵 責任編集)が2016年2月に刊行されました。西洋史を、日本を含むアジアの歴史と連続させて学び理解することを目指した、意欲的な新しい西洋史の概説書です。
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目次
はじめに
第1章 マルコ・ポーロの時代―15世紀まで
序論 世界の一体化の始まり
総論 ヨーロッパ中世から近世へ―ユーラシア大陸の西の果てから
1 西ヨーロッパ世界の形成
2 神聖ローマ帝国と「世界」
3 変容する地中海世界
4 出会いと抗争のイベリア半島
5 バルト海世界の政治秩序
6 ロシアとアジアの交錯
7 ビザンツからオスマンへ
Column 1 「マルコ・ポーロ」と日本
Column 2 都市と商人
Column 3 書体から見る「中世とルネサンス」
第2章 フランシスコ・ザビエルの時代―16世紀~17世紀前半
序論 ザビエルとアジア
総論 大航海時代と「長い16世紀」
1 宗教改革と宗派対立
2 イベロ・アメリカと「太陽の沈まぬ帝国」
3 神聖ローマ帝国の苦悩
4 イングランド・ネーデルラントの統合と進出
5 フランスの危機と再建
6 バルト海世界の覇権抗争
7 三十年戦争
Column 4 天正遣欧使節と『安土図屏風』
Column 5 銀と銅
第3章 エンゲルベルト・ケンペルの時代―1648~1763年
序論 「交易の時代」後のアジアとヨーロッパ人
総論 主権国家の時代へ
1 フランス絶対王政とその限界
2 イギリス帝国の拡大
3 「ドナウ帝国」の出現
4 プロイセン軍事官僚国家の発展
5 ロシアの拡大と国際化
6 オスマン帝国のバルカン
Column 6 啓蒙の世紀
Column 7 奴隷貿易
Column 8 東インド会社
第4章 蝦夷の彼方―1763~1815年
序論 シベリアがつなぐ東西
総論 ヨーロッパの近代へ
1 アメリカ革命・ハイチ革命
2 フランス革命とその影響
3 ナポレオンのヨーロッパ
4 イギリス財政軍事国家とその帝国
5 ロシアの膨張と帝国建設
6 中央ヨーロッパの再編
Column 9 革命史研究のスタートとゴール
Column 10 ロシアの毛皮貿易とアジア市場
Column 11 蘭学と近世ヨーロッパの学知
第5章 「アヘン戦争」の時代―1815~1848年
序論 アヘン戦争と世界史
総論 ウィーン体制のヨーロッパ
1 「勝者」イギリスの模索
2 ロマン主義とオリエンタリズムのフランス
3 ラテンアメリカの独立とスペイン
4 三つの名前をもつ時代のドイツ
5 ロシアのヨーロッパ協調路線
6 東欧・南欧におけるナショナリズムの萌芽
7 1848年革命
8 市民社会
Column 12 自然と人間
Column 13 ヨーロッパの脅威と海防
第6章 「開国・維新」の時代―1848~1873年
序論 アジアにおける西洋
総論 開国時の世界
1 自由貿易帝国主義のイギリス
2 開国日本とフランス
3 ロシアの「大改革」と東西拡張
4 イタリア統一と明治維新
5 ドイツ統一の世界的まなざし
6 アメリカ大陸諸国の体制変革
7 ネイション
Column 14 ルイ・フュレの日本体験
Column 15 『佳人之奇遇』と世界の小国史
Column 16 タンジマート
第7章 日清・日露戦争の時代―1873~1910年
序論 帝国主義の時代
総論 19世紀末の欧米とアジア
1 内憂外患と苦闘するロシア帝国
2 共和政フランスの内と外
3 世界強国を目指すドイツ
4 世紀転換期のヘゲモニー国家イギリス
5 オーストリア=ハンガリー二重君主国
6 「金ぴか時代」のアメリカ
7 アメリカの移民排斥・移民制限
8 「東方問題」と「アフリカ分割」
Column 17 パレスチナ問題の淵源
Column 18 シベリアと林業・漁業
第8章 韓国併合から第一次世界大戦へ―1908~1914年
序論 併合から大戦へ
総論 第一次世界大戦への道
1 ボスニア=ヘルツェゴヴィナ併合とバルカン戦争
2 戦争へ向かうドイツ
3 イタリアの植民地主義とナショナリズム
4 大戦前フランスの政争
5 イギリスの内政と外交
6 革新主義期アメリカの移民制限と人種隔離
7 反戦―運動の高揚から挫折まで
Column 19 スウェーデンから見た明治・大正の日本
Column 20 ロシアのイスラーム教徒から見た戦争
第9章 「21カ条」と「シベリア出兵」―1914~1929年
序論 第一次世界大戦とアジア
総論 第一次世界大戦・ロシア革命・1920年代
1 第一次世界大戦
2 ロシア革命
3 パリ講和会議
4 「平常への復帰」と英仏の帝国拡大
5 敗戦国
6 「自決」と国際連盟
7 ソ連の成立
8 ウィルソン外交と中米・東アジア
Column 21 アイルランドに見る植民地と民族問題
Column 22 ソ連からの亡命者
第10章 「満洲」から第二次世界大戦へ―1930~1945年
序論 1930年代のアジアと世界
総論 恐慌後の欧米
1 ファシズムの歴史的諸形態
2 日本・アジアから見たスターリン時代のソ連
3 反ファシズム人民戦線の興亡
4 未曾有の犠牲を生んだ第二次世界大戦
5 レジスタンスとパルチザン戦争
6 ホロコースト
Column 23 メキシコ革命と制度的革命党
Column 24 バルト三国・ユダヤ人・杉原千畝
第11章 核の時代の始まり―1945~1954年
序論 原爆・「終戦」・朝鮮戦争
総論 戦後ヨーロッパとアメリカ
1 ソ連・東欧・人民民主主義
2 冷戦体制への転換
3 ドイツの分裂
4 戦後のイギリスとフランス
5 ヨーロッパ復興とアメリカ
6 国際連合とブレトン・ウッズ体制
Column 25 ジョージ・ケナンと冷戦の終焉
第12章 スプートニクの飛翔と「安保」―1954~1968年
序論 「高度経済成長」・「安保」・アジア
総論 ヨーロッパの模索
1 ジュネーヴ会議
2 スエズ危機
3 スターリン批判とハンガリー革命
4 スプートニク・フルシチョフ・キューバ危機
5 戦後西欧の安定とEEC
6 軍産複合体のアメリカとベトナム戦争
7 植民地と「アフリカの年」
Column 26 公民権運動の成果と限界
Column 27 福祉国家とは何か
Column 28 1968年
第13章 「1968年」後の時代―1968~1980年代前半
序論 アジア・アフリカ・ラテンアメリカから見た「1968年」後
総論 「1968年」後のヨーロッパ
1 デタントのアメリカ
2 フランスの「新しい社会」から社会主義政権誕生へ
3 東欧社会主義諸国での体制内改革の試み
4 1968年からのソ連
5 従属論とピノチェトのラテンアメリカ
6 帝国解体後のイギリス
7 多文化主義・カナダ・アボリジナル
8 石油危機と世界経済の構造変化
第14章 「バブル」期の世界―1980年代後半~1990年代
序論 新自由主義の世界
総論 1980年代のヨーロッパ
1 EUと欧州統合の進展
2 保守のアメリカ
3 東欧の脱社会主義化
4 ソ連の崩壊とロシアの模索
5 移民のヨーロッパ
6 湾岸戦争から「9.11」「対テロ戦争」の時代へ
Column 29 記憶をめぐるポリティックス
参考文献/人名索引/事項・地名索引