「ハマース殲滅」を口実とするイスラエル軍の病院爆破攻撃によってガザがジェノサイド(住民皆殺し)状態に陥ったいま、ハマース政治局情報センターがガザ住民の窮状を報告し占領軍攻撃即時停止を訴える緊急メッセージを次々と発信しています。そのメッセージの一部を以下にお伝えします。メディア報道では届かないイスラエル軍の蛮行の現実を受け止めて、パレスチナ人集団殺戮を狙う戦争阻止に向けたさまざまな取り組みをお願いいたします。またこの情報を多くの方々に拡散していただけると幸いです。(ニュース伝達者・藤田進)
≪10月7日以降のイスラエル占領軍ガザ攻撃による死者は1万1320人に達した≫ (以下は本文の部分翻訳―藤田)
- ガザ自治政府情報局11月14日発表によるガザの被害状況
・イスラエル軍ガザ攻撃開始以来の死者数:1万1320人(子供4650人、女性3145人)
・イスラエル占領軍による集団虐殺:1165人、
・瓦礫の下敷きになっている行方不明者3600人(子供1755人)、
・全壊住宅4万2000軒、半壊住宅22万3000軒(ガザ住宅の60%に相当)
・政府関係建物や公共施設の破壊95か所、学校破壊255校(校舎全壊65校)、モスク破壊72か所、モスク一部崩壊165か所、
・農作物被害額:1億8000万ドル、果樹園の樹木何千本が切り倒された、
・戦車・ブルドーザー等による農地破壊4万5千ドノム、
・畜産、養鶏、漁業は完全に破綻。
- 11月14日、ガザ自治政府情報局報道官の記者会見における発言:
・「ガザの通信会社は、動力燃料枯渇を理由に11月16日(木)以降通信とインターネットのサービス業務を全面停止すると発表した。ガザはイスラエル占領軍によるあらたな犯罪に直面することになったいま、我々は全世界に向けて以下の諸点を訴える。」
- 我々は、イスラエル占領軍が民間人、女性、子供にたいしておかしている様々な組織的戦争犯罪の責任をイスラエル占領当局および国際社会とりわけ米国に対して問いただす。そしてまたイスラエルと協議し、占領軍による病院・住宅への空爆・ミサイル攻撃をはじめあらゆるレベルの攻撃を支援している国際社会を我々は強く糾弾する。
- 我々は世界の自由諸国に対して、犯罪的占領国家イスラエルとの関係を断ち切るとともに、この占領国家が空爆・砲撃ばかりかいかなる国際法・人権法にも抵触する残酷な映像やデマまで用いて企てている集団的破壊戦争を即時止めるよう圧力を加えるよう要請する。
- ガザの病院と各種救援センターへ支援物資と医療必需品を届けるために、ラファの通行路の恒常的開門を可及的速やかに実現するよう要求する。
- ガザの病院の新生児や入院患者が絶命状態に陥る前に、またすべての医療スタッフが治療看護活動を続けるために、病院の動力燃料を緊急に供給するよう要求する。
- イスラエル占領軍報道官名でのランティーシ―病院に関する発表(病院はハマースのテロ活動を支援しているとの報道―引用者)は虚であり、つじつまの合わない作り話であることを言明する。軍報道官の発表は、病院を破壊して患者、医療スタッフ、避難してきた人々を瓦礫の下敷きにする空爆が迫っているとの恐怖を抱かせて人々をガザから立ち退かせようとする神経戦の一環である。われわれは、ガザの病院に集まっている数万人の医療スタッフ、患者、避難してきている人々たちの生命の安全についてイスラエル占領軍が全面的責任を負わねばならないことを明確にしておく。
- ガザの通信・インターネット回線を遮断する発表によって、いかに危険な結果が生じるかを警告しておく。すなわちこの連絡回線の遮断によって、ガザ230万人の生命と住民の病院や住宅を日夜破壊しているイスラエル占領軍の戦争犯罪のすべてを覆い隠すことになり、さらに連絡が取れずに人的危機が一層悪化し、緊急救援隊、民間防衛隊、市町村のさまざまな救援活動も滞ることにつながる。以上のすべてのことは、世界的に当然とされている最低限の基本的人権にも反している。通信・インターネット回線の遮断は、全てを覆い隠して何が起きているのかわからない状態にするのが目的である。
出典「ガザ・パレスチナ情報センター」2023年11月14日報道(アラビア語))(https://palinfo.com/?p=862110)
(「世界史の眼」2023.11 特集号2)