「これが『自衛権』なのか」
2023年12月22日の『東京新聞』の「社説」は、「これが『自衛権』なのか」というタイトルで、イスラエル軍の「逸脱した行動」を非難し、「自衛権についての疑問を投げかけている。イスラエル軍がハマースに拘束されていたイスラエル市民3人を銃撃した事件、ガザのカトリック教会でのパレスチナ人女性の射殺した事件、イスラエル警察がトルコ人記者を集団で暴行した事件その他を挙げ、こうした兵士の「蛮行」は、イスラエル高官がハマースを「人間の顔をした動物」と侮辱したことと無関係ではなかろうと指摘するとともに、こうした行動は、イスラエルが今回のガザ攻撃を「自衛権」の行使だとする主張に疑問を抱かせるとしている。私見では、この「社説」は、さらに、今回の攻撃は「自衛権」の行使だという主張はそもそも成り立たないという国連関係者の主張(特集:「イスラエルのガザ攻撃」を考える 2(2023年11月21日)参照)にまで行きつかざるをえないと思われる。イスラエル、そしてその背後の欧米の主張は、冷静に、クリティカルに受け止められねばならないであろう。
(南塚信吾)
藤田進
戦争の裏に天然ガスあり