世界史研究所ニューズレターの29号が発行されました。
28号までのバックナンバーは、こちらよりダウンロードできます。
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合評会のお知らせ
本研究所所長南塚信吾が編著者のひとりとして参加した、秋田茂、永原陽子、羽田正、南塚信吾、三宅明正、桃木至朗編著、
『「世界史」の世界史』(MINERVA 世界史叢書 総論)、
ミネルヴァ書房、2016年
の合評会が、下記の要領で開催されます。
評者: 木畑洋一さん(成城大学)、橋川健竜さん(東京大学)、日高智彦さん(成蹊中学・高等学校)
日時: 2017年2月19日(日) 15時~17時30分
場所: 世界史研究所会議室(渋谷アイビスビル10階)
ふるってご参加下さい。
世界史研究所会員の松本通孝氏が、『歴史評論』2017年1月号の「歴史の眼」に、「「歴史総合」の創設に思う―期待と危惧―」と題された論考を寄せられています。
是非、ご一読いただければと存じます。
2015年9月26日に世界史研究所で開かれたシンポジウムの報告を集めた論集が刊行されました。
越村勲(編)『16・17世紀の海商・海賊―アドリア海のウスコクと東シナ海の倭寇/Marine Merchants & Pirates During the 16th and 17th Centuries: Uskok of the Adriatic Sea and Wako of the East China Sea』(彩流社、2016年)
ミネルヴァ書房から、MINERVA世界史叢書 総論『「世界史」の世界史』(秋田茂/永原陽子/羽田正/南塚信吾/三宅明正/桃木至朗 編著)が刊行されました。新たな世界史像を探る16巻のシリーズの総論です。
ミネルヴァ書房の紹介ページは、こちら。
先だって紹介した、『新しく学ぶ西洋の歴史―アジアから考える』(南塚信吾、秋田茂、高澤紀恵 責任編集)が、好評につき増刷されました。西洋史を、日本を含むアジアの歴史と連続させて学び理解することを目指した、意欲的な新しい西洋史の概説書です。
ミネルヴァ書房の紹介ページは、こちらです。
パトリック・マニング 著、南塚信吾、渡邊昭子 監訳
『世界史をナビゲートする―地球大の歴史を求めて』
が、彩流社より刊行されました。学問としての「世界史」を包括的に位置づけた、意欲的な著作の邦訳です。
彩流社の紹介ページは、こちらです。
目次
日本語版によせて
序 文
第一部 世界史の展開
第1章 世界史の定義
第2章 1900 年までの歴史哲学
第3章 大いなる総合── 1900 〜1965 年
第4章 テーマと分析── 1965 〜1990 年
第5章 世界史分野の組織化── 1990 年以降
第6章 世界史を語る
第二部 歴史研究における革命
第7章 学問の諸分野
第8章 学問の諸分野
第9章 グローバル・スタディーズ
第三部 近年の研究成果
第10 章 政治史および経済史
第11 章 社会史
第12 章 生態系、科学技術、健康
第13 章 文化史
第14 章 世界史を議論する
第四部 世界史における分析の論理
第15 章 歴史におけるスケール──時間と空間
第16 章 枠組みと戦略のモデルを作る
第17 章 解釈を検証し、提示する
第18 章 世界史を分析する
第五部 世界史の学習と研究
第19 章 大学院教育のプログラムと優先順位
第20 章 学習のコース
第21 章 大学院での学習のための資源
第22 章 世界史を研究する
第23 章 結論:世界史における課題
文献目録/原註/索引
歴史文化交流フォーラムでは、以下の通り、『ポツダム宣言を読む』と題した講演会を行います。ご関心をお持ちの方のご参加をお待ちしています。
『ポツダム宣言を読む』
日付: 2016年7月9日(土)
時間: 16:00 – 18:00
場所: 渋谷アイビスビル10階 (エレベータで9階へ上がり階段でお越しください)
参加費: 1,000円(学生無料)
講師:
南塚信吾氏、木村真氏、木村英明氏、小林昭菜氏
概要:
1945年7月26日、米・英・中の3か国は日本の無条件降伏を求めて、13か条からなる宣言を日本に発しました。いわゆる「ポツダム宣言」です。それは、明治以降の大日本帝国の解体を命じると同時に、新たな戦後体制の礎となる理念の一部も提示していました。講演会では、ポツダムにおけるソ連を含む4か国会談がどのように行われ、宣言はどのような過程を経て作成されたのか、いっぽう日本では宣言がどのように受けとめられ、広島・長崎の原爆とならんで終戦にいかなる影響を与えたのか、ということを中心に考えていきます。その際、英文と和文の双方で、ポツダム宣言を読むことにします。
合評会:南塚信吾・小谷汪之・木畑洋一編著『座談会・世界史の中の安倍政権』(日本経済評論社、2015年12月)
2016年4月2日、本研究所会議室において標記の合評会が開催されました。評者は石橋功氏(神奈川県高等学校教育会館図書室室長)と澤野理氏(神奈川県寒川高等学校教諭)のお二人でした。本書は、歴史研究者と一般の読者の双方に読んでいただくことを意図したものなので、その両者をつなぐ立場におられる歴史教育者に書評をお願いしたわけです。お二人は、同僚二名の先生からの書面による書評も紹介してくださいました。
合評会では、おもに、大きな歴史の中における安倍政権の位置づけが議論されました。安倍政権が1980年代以後の世界史の変化の産物であるという点については、賛成の意見が多かったのですが、そうだとするならば、①安倍政権のような政権は「安倍」以後にも現れるということになるのかとか、②安倍政権と似たような政権を世界的に比較検討するべきではないかとか、③世界全体の政権の中での安倍政権の独自性・特殊性をどこに求めるかといった問題が議論されました。この③に関しては、安倍首相の個人史や、「安倍」と「岸」との関係を新ためて分析すべきだという意見や、明治維新そのものを見直していく必要があるといった意見がありました。
この他、安倍政権とヒトラー政権との比較の問題、現在の日米同盟とかつての日英同盟との比較の問題などが議論されました。また、今回の座談会では歴史教育の問題が十分に扱われていないではないかという批判もありました。
最後に、現在の安倍政権に代表されるような世界の政治の動きに対して、どう対応していくべきかという問題も提起されました。これについては、国境を越えた市民の連帯が必要だろうが、そのような例は現実にどのようなものがあるのだろうかとか、この本を読んでも何をなすべきかということはすぐには分からないとか、歴史家はただものを書いたり議論をしたりするだけではなく、行動すべきではないかといった意見が出されました。
合評会を終えて、改めて、なぜ安倍政権を世界史の中で考えなければならなかったのかを、省察させられましたが、やはり世界史的規模で考えてはじめて、安倍政権の特異性や独自性という問題が出てくるのではないかと思った次第でした。歴史を学ぶものとして、この本が出たことによって、安倍政権の動き方がより明確に分かってくるとともに、新たな問題も浮かび上がってくるわけで、それに対応した著作や活動が必要になってくるでしょう。また、この本が出たことによって、安倍政権自体の動き方も変わってくるかもしれません。今後も注意が必要です。
(文責 南塚)